ホーム 料理記事 季節のレシピ 食文化 食材の物語 会社について お問い合わせ
SPRING CHAWANMUSHI — FUKI NO TO & TAI

ホーム季節のレシピ / 春の茶碗蒸し

春のレシピ

春の茶碗蒸し
─ 蕗の薹と真鯛

⏱ 調理時間:45分 👥 2人前 ★★★☆☆ 中級

蕗の薹が雪の隙間から顔をのぞかせる早春、北海道にも春の気配が漂い始めます。その苦みと清々しい香りは、長い冬を越えた後に出会う生命の息吹そのもの。真鯛の淡い桜色と合わせることで、茶碗蒸しはより春めいた彩りを纏います。一番出汁の旨みを卵液に丁寧に染み込ませ、蒸し器でゆっくりと加熱する。この料理に急ぎは禁物です。

春の茶碗蒸し ─ 蕗の薹と真鯛

作り方

1

出汁を引く

昆布(利尻昆布推奨)10グラムを水500mlに30分浸漬する。弱火にかけてゆっくりと温度を上げ、60℃前後になったら昆布を引き上げる。火を少し上げて80℃になったら、かつお節15グラムを加え30秒後に濾す。出汁を冷ます。

ポイント:出汁は必ず冷ましてから卵液と合わせること。熱い出汁では卵が固まってしまいます。
2

蕗の薹を下処理する

蕗の薹は外葉を2〜3枚剥がし、半分に切って塩を少量ふり、さっと茹でる。茹で時間は約20秒。水に取ってアクを抜き、水気を絞る。細かく刻んでおく。

ポイント:蕗の薹は茹で過ぎると香りが飛びます。色が変わり始めたらすぐに引き上げてください。
3

真鯛を塩霜にする

真鯛(刺身用)を薄切りにし、軽く塩をふる。5分後に熱湯をさっとかけ(霜降り)、すぐに氷水に取る。水気を切っておく。この処理で鯛の臭みが除かれ、より上品な味わいになります。

4

卵液を作る

卵2個をボウルに割り入れ、箸で白身を切るように静かに混ぜる(泡立てない)。冷ました出汁350mlを少しずつ加えながら混ぜ、薄口醤油小さじ1・塩少量・みりん小さじ1/2で味を整える。目の細かいザルで濾す。

ポイント:卵液は必ずザルで濾すことで、気泡が除かれ、なめらかな舌触りになります。
5

器に盛り付けて蒸す

茶碗蒸しの器(または耐熱カップ)の底に、蕗の薹・真鯛を入れる。卵液を静かに流し入れ、7〜8分目まで満たす。蒸し器のふたに布巾を挟み(水滴防止)、強火で2分→弱火で12〜15分蒸す。

ポイント:「す(気泡の穴)」が入らないよう、弱火でじっくり蒸すことが重要です。仕上げに「ゆず皮」や「三つ葉」をのせて完成。

仕上げのコツ

  • 蒸し上がりの確認は竹串を刺して透明な汁が出ればOK。白く濁った汁が出る場合はもう2〜3分蒸す
  • 表面が固まっているのに中が液体の場合は、「す」が入るサイン。すぐに火を弱めること
  • 熱いうちに提供するのが基本だが、冷蔵庫で冷やして「冷たい茶碗蒸し」として夏に楽しむこともできる
  • 出汁に昆布と鰹をしっかり使うことで、塩・醤油の量を最小限にできる
  • 器を温めておくと、蒸し始めからの温度変化が少なく、均一に火が入りやすい

盛り付けの美学

茶碗蒸しの盛り付けは極めてシンプルでなければなりません。蒸し上がった器の表面に、細く刻んだ三つ葉を2〜3本と、薄く削いだゆず皮(または柚子胡椒の一粒)を静かにのせるだけ。春の茶碗蒸しには、蕗の薹の緑と真鯛の桜色がすでに十分な彩りを与えています。

器の選択も重要です。春は青磁や薄緑の器が料理との調和を生みます。器と料理が共鳴して初めて、日本料理の「盛り付け」は完成します。器は料理の衣装である──茶道の精神から生まれた懐石料理の教えは、茶碗蒸しにも息づいています。

「茶碗蒸しは日本料理の縮図だ。見えない出汁の旨みが、卵という器の中に静かに溶け込み、春の食材と出会うことで一つの世界を完成させる。」

材料(2人前)

  • 2個
  • 一番出汁350ml
  • 真鯛(刺身用)60g
  • 蕗の薹4個
  • 三つ葉少量
  • ゆず皮少量
  • 薄口醤油小さじ1
  • みりん小さじ1/2
  • 少量
  • 【出汁用】利尻昆布10g
  • 【出汁用】かつお節15g

レシピ情報

調理時間 45分
人数 2人前
難易度
季節

必要な道具

  • 蒸し器(または蒸し板)
  • 茶碗蒸し用器(2個)
  • 目の細かいザル
  • 温度計(あれば)
  • 布巾(蒸し器の蓋用)